2025年8月05日

骨補填材とは?
顎の骨が少ない時に骨の再生を促す手術(GBR)を行う際に使用する材料です。
骨補填材は種類がいくつかありますのでご紹介します。
自家骨
自分の骨から骨造成を希望する場合自分のの骨から採取する必要があります。
採取部位としては下顎骨のオトガイ部や下顎枝といった比較的骨が分厚いところから採取します、骨ミノという骨を粉砕する器具で骨を細かくして補填したい部位に足していきます。
骨補填材の中で1番安全で骨ができやすいです。
自家骨を、使用する場合はブロック状しにして採取するときと、細粒状で採取する時があります。
自家骨の特徴として骨再生能、骨伝導能、骨誘導能の全ての能力を持つことです。
しかし全てを自家骨で骨再生させる場合かなりの量の自家骨が必要になるため十分な量を採取することが難しいケースが多いです。
通常は自家骨と他の骨補填材と混合して使用することが多いです。
また移植した自家骨は体内で吸収されやすく無くなってしまう事もあると言われています。
また他の部位から骨を採取することになるため患者負担が大きく傷口も増えることになります。
人工骨
ハイドロキシアパタイト(HAP)
ハイドロキシアパタイトは歯のエナメル質や骨の無機質を構成する成分です。
これはリン酸カルシウムでできていて生体親和性が高く骨芽細胞の骨形成能を高め、自分の骨と置き換わりることができます。
βリン酸三カルシウム(β-tcp)
βリン酸三カルシウムはリン酸とカルシウムの塩
で骨置換性や骨誘導能力のある生体吸収性セラミックスです。
これも生体親和性が高く、骨組織で吸収されやすいです。
またβリン酸三カルシウムはハイドロキシアパタイトと比べて自家骨に置換する性能をもつため幼少期の骨疾患患者に対して成長変化に対応できると言われています。
また自家骨に比べてマクロ気孔をもつため血流が良く、血流が悪い大きな骨欠損部にも適応出来ます。
異種骨
異種骨は骨誘導能を有していて主に牛の骨など動物の骨を加工して作られたものです。牛の骨を1000℃まで焼成して骨を含まれる有機物がほとんどない状態のものを使用します。牛の骨の構造は人間の骨の構造に類似しており骨が吸収されてしまうのも少ないことから優位性が高いです。
しかし骨再生能や骨誘導能無く感染に弱いというれリスクもあり宗教上使用できないというデメリットもあります。
他家骨
ドナーの方から提供して採取された骨のことをいいます。
事前に多くのドナーから骨を採取することができるため骨量に制限があまりないというのが特徴になります。また骨伝導能と骨誘導能を持っています。
自家骨と同様に吸収されやすいので他の移植骨と混合して使用されるのが一般的です。
いくつか骨造成で使用する材料を紹介させていただきました!
それぞれに特徴がありその場に合わせて使い分けることが出来ます。骨がなくてインプラント治療したくても出来ないと言われた方は一度ご相談ください。